米副大統領候補の討論会、予想外の冷静モードで展開 時折火花も
【ニューヨークAFP=時事】11月の米大統領選に向けて1日、共和党の副大統領候補、J・D・バンス上院議員と民主党の副大統領候補、ティム・ウォルズミネソタ州知事によるテレビ討論会が行われた。テーマは移民、人工妊娠中絶、中東情勢などに及んだが、予想に反して比較的冷静な討論となり、共に中西部の庶民のルーツを強調している両氏が互いの意見に同意する場面も何度かあった。≪写真は、米ニューヨークでCBSニュースによる副大統領候補のテレビ討論会に臨む、共和党のJ・D・バンス上院議員〈左〉と民主党のティム・ウォルズ・ミネソタ州知事≫
過去の例から、副大統領候補による討論会が投票結果を大きく左右することはほとんどないが、民主党候補として急きょカマラ・ハリス副大統領が起用されたこともあり、11月5日の投票日を前におそらく最後の開催になると思われる今回の討論会は、より重要度が高くなったと言えるかもしれない。
いつもはエネルギッシュなウォルズ氏は、開始当初は緊張した面持ちでたびたび言いよどんだが、次第に自信を取り戻した。一方のバンス氏は流ちょうに話を進めた。
大統領候補による9月のテレビ討論会では、ドナルド・トランプ前大統領とハリス氏が辛辣(しんらつ)な個人攻撃を繰り広げた。今回は、そうした攻撃は影を潜めたものの、討論会には終始「ボス」の影が付きまとった。
ウォルズ氏はトランプ氏について、「民主主義を脅かす存在であり、国際舞台で米国を率いるには不適格」だと攻撃。対するバンス氏は、ジョー・バイデン政権下での経済政策と不法移民問題に関するハリス氏の実績を批判した。
討論会の終盤、2020年の大統領選でトランプ氏がバイデン氏に勝利したとする根拠のない主張を支持しているかというウォルズ氏の質問に対し、バンス氏が回答を避けた。
ウォルズ氏は「答えをはぐらかすのは致命的」だと非難。2021年1月6日に支持者が連邦議会議事堂を襲撃した事件についてトランプ氏を糾弾した。
また、移民問題に関するバンス氏の主張へのファクトチェックをめぐり、同氏がヒートアップし、マイクの音声が一時オフにされる場面もあった。
一方のウォルズ氏も「天安門広場での事件発生時に香港にいた」とする過去の発言について問われ、この発言が間違いだったことを認めるなど、複数の厳しい質問への対応を迫られた。
トランプ氏は討論会後、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」でバンス氏を称賛。「素晴らしい出来だ、JD。われわれ2人で共に米国を再び偉大にする!」と投稿した。【翻訳編集AFPBBNews】
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