大谷、内角球のさばき上達=走り方も進化―筑波大の川村教授が分析・米大リーグ
今季打撃2冠に輝き、前人未到の「54本塁打、59盗塁」に到達したドジャースの大谷。驚異的な成績をもたらした技術的な要因はどこにあるのか。筑波大で野球コーチング論を研究する川村卓教授(54)=野球部監督=に分析してもらった。
左中間方向にもアーチを量産できるのが強みの大谷だが、今季は右翼へ引っ張ってフェンスを越す当たりが大幅に増えた。川村教授は昨季途中から、内角のさばき方が上達したとみる。
内角球を真芯で捉えると強い回転がかかったライナー性の打球になり、切れてファウルになることも多い。大谷はスイングが大きくなりがちな高い構えから振り下ろしながらも、バットを内側から出すことができる。「芯ではないところから芯の方にずらすイメージ」で捉えることで本塁打性の当たりが増える。
さらに最近は、以前よりも投手に近いポイントで内角球を打てるようになった。「ボールの下にバットが入れられ、フライが多くなっていく」と解析した。
盗塁を大幅に増やした走塁面でも、川村教授はフォームの進化を指摘する。まず、一塁走者でリードを取った時、「スタート重視」で二塁方向に体を傾ける。そして走りだす時には右足を引く。「前傾姿勢が去年よりもかなり低くなった。前傾が大きいほど、後ろにしっかり蹴ることができる」という。
スピードに乗ってからは「陸上選手に近い形。横ぶれが少なく、安定した速い走りにつながっている」。今季は盗塁失敗がわずかに4個という成功率の高さに結び付いた。
身長193センチの大谷のように大柄な選手が前傾姿勢を保つのは難しい。ただ、大谷は尻周りや太もも裏の発達した筋肉が、それを可能にしている。「鍛えるべきところを鍛えているのは彼の素晴らしいところ」。川村教授は、大谷が今春のキャンプで走力を上げる練習に取り組んだ際、股関節の使い方が向上したとみている。
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◇川村教授の略歴
川村 卓氏(かわむら・たかし)札幌開成高3年時に主将として夏の甲子園出場。筑波大でも主将としてプレー。大学院体育研究科(当時)修了後、北海道・浜頓別高監督を経て、01年から筑波大監督。大学日本代表コーチも務めた。日本野球学会会長。専門は野球コーチング論。「コーチング学」の博士号を持つ。54歳。北海道出身。
[時事通信社]
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