続く捜索、遠い日常=2度の被害に不安も―大雨1週間
能登半島地震の被災地を襲った記録的大雨から1週間となった28日、石川県輪島市では範囲を拡大して不明者の捜索が続けられた。市街地も早期の復旧は見通せず、住民からは不安が漏れた。
複数の家屋をのみ込んだ塚田川流域では女子中学生(14)ら2人と連絡が取れておらず、消防などが約530人態勢で捜索を続けた。連日の捜索で安否不明者の家財道具などが河口付近で見つかり、海岸沿いのエリアに大半の人員を投入。ヘリコプターや重機、災害救助犬も用いて発見を急いだ。
朝晩に海岸沿いを散歩するという自営業の男性(63)は「自分にも孫がいるが、同じ立場だったらと思うと気の毒だ。とにかく見つかってほしい」と願った。
河原田川が氾濫した市街地では、道路に土砂や家から運び出された家財道具などが積み上げられたまま。川のすぐそばに自宅がある猪子章子さん(77)は、地震被害の修繕を決めた矢先の被災だった。「2度も立て続けにこんなことになるなんて。どうしたらいいか分からない」と肩を落とした。
同市宅田町の仮設住宅は、床上浸水などの被害を受けた。修理後に再入居できるというが、避難所に身を寄せた無職の男性(68)は「もしまた台風が来たら水没してしまう。本当は住みたくない」と心境を吐露した。
[時事通信社]
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