先発陣再建したソフトバンク・倉野コーチ=モイネロ、大津の起用当たる―プロ野球「常勝への道、再び」(下)
今季、ソフトバンクに頼もしい参謀が戻ってきた。2年間、米国で指導者として経験を積んだ倉野投手コーチ。2021年まで1軍やファームで指導し、育成出身の千賀(メッツ)らをプロで通用する投手に育てた実績がある。
3位だった昨季は先発陣が明らかな弱点だった。有原とベテランの和田を除き、そろって不振。規定投球回に到達した投手はいなかった。再建を託された倉野コーチが講じた策は、2人の救援投手の先発転向。通算135ホールド、40セーブの実績がある左腕モイネロと、昨季46試合に救援登板した大津をローテーションに入れ、これが見事に当たった。
中継ぎとは調整方法が異なる先発。長い回を投げるためのスタミナが懸念されたが、モイネロは「オフとキャンプの準備が良かった」と手応えを得ていた。シーズン中も中長距離のランニングで鍛錬。チームでは有原に次ぐ158回を投げ、防御率はリーグトップの1.94。月間最優秀選手(MVP)に2度も輝いた。
2年目の大津は、倉野コーチの助言を生かして調整方法を確立させていった。序盤は間隔を空けながら起用され、6月までに6勝。チームの快走に大いに貢献した。
6年目のスチュワートを使い続け、一本立ちさせたことも倉野コーチの手腕だ。次の目標は日本一。リーグ優勝が決まった23日夜、休む間もなく小久保監督と今後の投手起用について話し合った。「責任も大きいし、期待されている部分もある」。ポストシーズンをにらみ、離脱者が相次いだ終盤から立て直すため、もう一度知恵を絞る。(成績は25日現在)。
[時事通信社]
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