被災者の心の支えに=ボランティア活動が本格化―能登大雨、死者11人・石川
記録的な大雨に見舞われた石川県・能登半島北部の被災地で、ボランティアの活動が本格化している。土砂や流木が広範囲に散乱して生活再建が遠のく中、住民の心の支えになろうと汗を流す。大雨の死者は11人となり、警察や消防などは26日も被害の大きかった輪島市などで不明者の捜索を続けた。
河川の氾濫で仮設住宅が浸水被害を受けた同市宅田町では25日、ボランティアが部屋の泥かき作業などを行った。県の募集に応じて参加した魚谷雅喜さん(55)=富山県高岡市=は「ここに住まざるを得ない人を何とか支えたい」と話す。
元日の能登半島地震でもボランティアに参加し、被災者との交流を深めた魚谷さん。「一度関わった地域がまた被災し、心配になった」と、家具の運び出しや廃棄物の分別に精を出した。
同じくボランティアに加わった金沢大2年の山田和輝さん(20)は大阪出身。発生が懸念される南海トラフ地震を考えると、能登の現状が人ごとに思えなかったという。「故郷での災害に備え、経験や知識も付けたい」と話した。
山田さんらと一緒に作業をした同大大学院修士1年の浜野祐丞さん(22)は、石川県珠洲市の実家が今回の大雨で断水した。部屋の清掃作業を手伝い、「自分が育った場所に恩返しがしたい」と力を込めた。
山田さんらに部屋を掃除してもらった田浦靖広さん(67)は地震で自宅が全壊し、6月に入居したばかりという。「片付けは一人じゃ無理。ボランティアのおかげで助かった」と笑顔を見せた。
[時事通信社]
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