米と対話しつつ威嚇=大統領選前に揺さぶり―中国ICBM
【北京時事】中国の習近平政権は、米国との「対話」を維持しつつ、アジア太平洋における軍事的威圧を強める姿勢だ。大統領選まで2カ月を切り、内政・外交両面で先行き不透明感が漂う米国に揺さぶりをかける狙いとみられる。
中国軍は25日、訓練用の模擬弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)1発を太平洋に向けて発射。中国国防省は「いかなる国も対象にしていない」と強調したが、中国周辺で日本やフィリピンとの防衛協力を進める米国を念頭に置いているのは明らかだ。
中国軍は今月、日本周辺の海上でロシア軍との大規模演習を実施。同時期に日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」首脳会議を開催した米国を尻目に、中ロの軍事連携を誇示した。
一方で、米中両軍間では対話の機運が続いている。今月10日には、米インド太平洋軍と中国軍南部戦区の両司令官がオンラインで会談。同14、15日には米中の国防当局者が参加する防衛政策調整協議を北京で開催した。
米国は11月に迫った大統領選に加え、対外的にはウクライナや中東問題の対処に追われる。習政権は米国の「多忙さ」に付け込む形で、意思疎通の継続により不測の衝突回避を図りつつ、東・南シナ海の領有権や台湾問題を巡っては「一歩も譲らない」という主張を行動で示す構えだ。
[時事通信社]
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