山田、万全でなくてもV=家族の声援に応え―全日本フェンシング
万全の状態ではなくても、五輪2大会連続団体メダリストの技術が光った。パリから帰国後の忙しさで練習不足な上に、大会前日には発熱もあったという男子エペの山田。5年ぶりの日本一に、「熱という言い訳があったので、全然プレッシャーはなかった」と冗談めかして振り返った。
体力を消耗しないためにフットワークを抑えめの戦法を取りながらも、するすると勝ち上がった。大学生の大谷との決勝は序盤からリードし、最後は10―8からの5連続得点で勝利。「(点が取れる)技を選ぶ能力が上がっていると思った。そこだけはプラス」。悪い条件の中で勝ち切り、思わぬ手応えも得た。
欠場が頭をよぎる状況でもピストに立ったのは、応援に来てくれた人たちの期待に応えるため。中でも、2人の子どもからの「パパ頑張れ」という大きな声が何より力になった。「すごくうれしかったし、あの声で冷静さが保てた。去年は負けて大泣きされたので、勝ててよかった」と笑った。
[時事通信社]
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