岸田首相、影響力維持に腐心=乱戦お膳立て、路線転換警戒―自民総裁選
自民党総裁選の告示を12日に控え、退陣を決めた岸田文雄首相が、自身の影響力維持に腐心している。かつてない乱戦を「お膳立て」することで、各候補の動向を見極めつつ、キャスチングボートを握るのが狙い。3年間の政権下で敷いた路線の転換を避ける思惑も透ける。
「最近の首相はつきものが落ちたように明るい」。首相の様子について党関係者はこう話す。「政局好き、人事好き」と言われる首相の関心事は、「ポスト岸田」レースの行方だ。側近を通じて各陣営の動向を直接聞き取るなど、情勢分析に余念がないという。
先月14日の退陣表明の記者会見で、首相は総裁選について「我こそはと思う方は積極的に手を挙げて」と発破を掛けた。これを受け、一時は10人超が出馬を模索。先行きが読めない展開となる中、各陣営は決選投票も見据え、首相の対応に関心を寄せる。
首相はまた、解散した岸田派に所属していた議員の掌握に意を砕く。今月もたびたび会食の機会を設定。4日には、山梨県内で開かれた有志の会合にわざわざ駆け付けた。
同派所属だった林芳正官房長官(63)、上川陽子外相(71)の2氏が出馬表明したことも、対応に苦慮する中堅・若手への首相の求心力を高める結果につながった。「上川氏も出られて良かった」。上川氏の推薦人確保にめどが立ったことを聞き、首相は周囲にこう語った。
一方、表立った発信はないものの、茂木敏充幹事長(68)が防衛増税などの見直しを打ち出した際は、周囲に怒りをあらわにした。首相に近い中堅議員は「『岸田路線』を大きく変えれば支援できないという意思表示だ」と解説する。
首相は現在67歳。退陣後、存在感を誇示する場面が増えるとの見方が、党内にはくすぶる。「功績を認められたい、キングメーカーになりたい、という欲に政治家は抗しがたい」。政府関係者はこう指摘した。
[時事通信社]
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