2024-09-09 18:47

若々しく、歩み止めず=「鉄人」玉鷲、記録が原動力―大相撲秋場所

 相撲未経験での初土俵から20年余り。休まずにこつこつと積み重ね、玉鷲が歴代1位に並ぶ通算連続出場1630回に到達した。幕内最年長の39歳になっても土俵に立つ原動力は何か。本人は記録を気にするそぶりを見せないが、師匠の片男波親方(元関脇玉春日)は「記録が彼の気持ちを高めてくれる」と言い、「鉄人」の大きな支えであり続けている。
 モンゴル出身で、ホテルマンになることを目指していた。留学していた姉を訪ねて来日。一緒に東京・両国を歩いていた際、偶然見掛けた力士についていくと、当時の井筒部屋へたどり着いた。そこで同郷の鶴竜(元横綱、現音羽山親方)に出会ったことが入門のきっかけに。音羽山親方は「背が高かった。ずっと若々しい」と懐かしむ。
 根底にあるのは「若手に負けたくない」との思い。周囲に対しては実際の年齢よりも10歳若く、「俺は29歳だ」と言う。弟弟子の十両玉正鳳の姉が玉鷲の夫人。義弟に当たる31歳は「自分も21歳だと思うようにしている」と影響を受け、「本人は若いと思ってやっているし、毎日基本をしっかりやる。気持ちの強さがある」と感心する。
 師匠が「どちらかと言うと目立ちたい方」と語るように、玉鷲は「お客さんに面白いと思ってもらえる相撲を取りたい」と常々、口にしてきた。歴史に名を刻んだことは一層の励みになるはず。11月の九州場所中に40歳になる。これからも土俵を沸かせる決意だ。
[時事通信社]

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