ウクライナとロシア、混乱なく=胸中複雑、「敬意」も〔パラリンピック〕
ウクライナに侵攻するロシアと同盟国ベラルーシの選手が、国を代表しない「個人の中立選手」として参加したパリ・パラリンピック。ロシアの選手はパリ五輪の約6倍となる90人近くが出場したが、大きな混乱は起きなかった。ウクライナは約140人が参加し、金22を含むメダル82個を獲得。総数は国・地域別で5位となり、勇敢な姿を示した。
競泳の男子100メートル自由形(運動機能障害S5)で金メダルに輝いたオレクサンドル・コマロフ(ウクライナ)は、銅だったロシアの選手と同じ表彰台に立ち、「精神的にも肉体的にも難しかった」と心情を明かした。他種目のウクライナ選手は、ベラルーシの選手との写真撮影を拒んだ。
ウクライナと、ロシアやベラルーシの選手が、一緒に表彰台に立つ場面は五輪ではなかった。パラリンピックではウクライナ選手に配慮するかのように、写真撮影時に歩み寄らないロシアの選手もいた。国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長は「友好的とは言えないまでも、敬意を払っていた」と評した。
ロシアとベラルーシの選手は、2022年3月の北京冬季大会から除外された。今回はIPCが設けた独立機関の審査で、侵攻を積極的に支持する選手などを排除。紛争で対立する国・地域のアスリートが複雑な思いを抱えながらも、同じ最高峰の舞台で競い合う形が示された。 (時事)
[時事通信社]
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