手腕に定評も、発信力が課題=林氏出馬、対応割れる岸田派―自民総裁選
林芳正官房長官(63)が3日、自民党総裁選への立候補を表明した。中央省庁や経済界では仕事ぶりに定評がある一方、発信力や知名度で他候補に見劣りする面は否めない。所属する岸田派は同日、解散届を提出。派内の支持も一枚岩とは言えず、選挙戦を勝ち抜くシナリオは見通せていない。
「人に優しい『仁』の政治。慈しみ、思いやりの志で政治を行いたい」。3日の出馬会見で、林氏は目指す政治をこう強調し、「国民の共感を得られる政治を取り戻す」とも語った。
参院議員だった2012年、総裁選に初挑戦したが最下位に沈んだ。その後、地元・山口で安倍晋三元首相と主導権争いを演じ、21年衆院選では二階派ベテランを引退に追い込む力業で衆院くら替えを実現させた。林氏をよく知る関係者は「林氏を駆り立てたのは『首相ポスト』への執念だ」と語る。
辞任した閣僚の後任にたびたび充てられたことから「代打の切り札」の異名も。今年に入り米大統領選の行方が混迷の度を深めると、霞が関では「首相として切り回せるのは林氏」(経済官庁幹部)との声も出ていた。
ただ、自民内では裏金事件の逆風で、新総裁には「衆院選の顔」としての期待が高まる中、そつのない林氏の言動はネックにもなる。官房長官会見はもっぱら安全運転に努め、「ポスト岸田」の世論調査も伸び悩む。「講演を聞きに行ったら、配布資料の内容をそのまま話していた」。林氏に期待する財界関係者はため息交じりにこう語る。
足元の岸田派も動揺が続く。3日には政治団体の解散届を提出。派内からは上川陽子外相(71)も出馬を模索し、同派の村井英樹官房副長官ら若手は小泉進次郎元環境相(43)支持に動いている。同派若手は「林氏が固めているのは派内の8割弱」と話す。
岸田派は岸田文雄首相による突然の退陣表明で、総裁選では「草刈り場」になる可能性があった。林氏の出馬はそうした事態を回避するのが狙いとの見方もある。同派メンバーの一部は4日に山梨県内で研修会を開くなど、今後も活動を続ける方向。ある政府関係者は「今後は林氏が看板になっていくのではないか」との見方を示した。
[時事通信社]
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