ノモンハン「戦勝」で対日けん制=プーチン氏、ICC加盟モンゴル訪問
ロシアのプーチン大統領は3日、1939年に当時の満州国(現中国東北部)とモンゴルの国境で日本軍とソ連軍が衝突した「ノモンハン事件」から85年となったことに合わせて公式訪問したモンゴルで、「対日戦勝」記念式典に出席する。事件後に結ばれた日ソ中立条約を45年に破ったソ連の対日参戦も正当化し、北方領土問題の解決を求める日本をけん制する狙いがある。
3日はロシアでは「軍国主義日本に対する勝利と第2次大戦終結の日」で、プーチン氏は2日夜に首都ウランバートルに到着した。かつて忠実な親ソ国家だったモンゴルを訪れたのは、2019年以来。フレルスフ大統領らと会談し、ウクライナ侵攻で西側諸国と対立する中、友好国との関係を誇示して孤立回避を印象付けたい考えだ。
プーチン氏には「戦争犯罪」容疑で、モンゴルも加盟する国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているが、ペスコフ大統領報道官は「心配していない」などと説明。両国間に身の安全を保証する約束があるもようで、国際社会からは批判が上がっている。
プーチン氏は訪問前、モンゴル紙のインタビューでノモンハン事件について「モンゴルの自由と独立のための戦いに1万人以上の赤軍兵士と指揮官が命をささげた」と指摘し、血の結束をアピール。ソ連の対日参戦による第2次大戦の結果も、両国の「共同勝利」と位置付けた。
[時事通信社]
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