ポリオ接種でガザ戦闘休止へ=イスラエルとハマス
【カイロ時事】イスラエルとイスラム組織ハマスが交戦するパレスチナ自治区ガザで9月1日、ポリオワクチン接種のための一時的な戦闘休止が発効する。世界保健機関(WHO)によれば、期間は12日間。接種完了まで戦闘停止を継続できるかが焦点だ。
接種の対象者は10歳未満の子供約64万人で、9割以上の接種率を目指す。ガザ中部から開始し、南部、北部の順に3段階で実施。いずれの地域でも予備日1日を含め計4日間を想定し、実施地域で戦闘が休止される。
接種は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)と現地の保健当局が連携し、各地の診療所や避難所などで行う。UNRWAの清田明宏保健局長は8月30日、戦闘休止状態の維持や、避難先を転々とする対象者の把握などを課題に挙げ、接種目標の達成に向けた「不確定要素が多い」と指摘した。
地元メディアは31日、ワクチンが到着したガザ南部ハンユニスの病院で先行して接種が行われたと伝えた。
一方、ガザの本格的な停戦に向けてカタールで行われていた実務者協議について、米ニュースサイト「アクシオス」は、ガザ南部の対エジプト境界地帯へのイスラエル軍駐留継続に関する議論が先送りされたと報じた。イスラエルとハマスの間で最大の争点となっており、交渉決裂を避けるためとみられる。
この問題を巡っては、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相の対立が改めて浮き彫りとなった。報道によると、ガラント氏は29日に行われた治安閣議で「駐留継続か人質(奪還)かどちらかを選ぶ必要がある」と述べ、駐留にこだわるネタニヤフ氏を非難。ネタニヤフ氏は激高した。軍駐留の是非を閣議で諮ったところ、ガラント氏のみが反対を表明したという。
[時事通信社]
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