新米の作柄、主力産地「やや良」=新潟「平年並み」、9月本格流通―農水省
農林水産省は30日、2024年産米(新米)の作柄概況(8月15日現在)を発表した。5月以降、全国的に天候に恵まれ、予想収穫量は青森が「良」、北海道と東北の主力産地をはじめとする11道府県が「やや良」、米どころ新潟を含む31都府県は「平年並み」となった。農水省は新米の流通について、9月第1週には新潟県産の供給が始まり、第2週にかけて北海道、東北、北陸の産地品種が続くとみている。
コメの流通量不足で一部の小売店で欠品が生じる「令和の米騒動」と呼ばれる事態が起きているが、今回の予想に沿った量が9月から本格的に流通すれば、品薄の解消につながりそうだ。
坂本哲志農水相は30日の閣議後記者会見で流通量不足について「短期的な品薄」「全体の需給として必要な在庫水準が確保されている」との見解を示し、消費者に「冷静な対応」を呼び掛けた。
作柄概況は、沖縄県を除く46都道府県が対象。10アール当たりの予想収穫量が平年と比べて106%以上が「良」、102~105%が「やや良」、99~101%が「平年並み」。佐賀、長崎、宮崎の3県は、田植え後の日照不足が響き、平年比95~98%の「やや不良」となる見込み。
沖縄は、二期作目の田植えが終わっていないため予想の対象外となっている。
8月は主食用米が新米に切り替わり始める端境期のため在庫が減りやすく、気象庁による南海トラフ地震臨時情報の発表で消費者の買いだめも発生し、品薄感が強まった。農水省の発表によると、臨時情報が発表された8日を含む8月5~11日のスーパーでのコメの販売数量は、前年同期比38.8%の大幅増。同12~18日も21.4%増となった。
[時事通信社]
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