首脳電話会談を計画=数週間以内、対話継続で合意―米中高官、台湾、南シナ海で応酬
【北京、ワシントン時事】北京を訪問中のサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国の王毅共産党政治局員兼外相は28日、前日に続き会談した。両氏は米中首脳会談の早期実現について協議。ホワイトハウスは、数週間以内に両首脳による電話会談を計画していると明らかにした。
バイデン大統領は来年1月に退任する。実現すれば、習近平国家主席との電話会談は今年4月以来で、退任前の協議は最後になる可能性もある。ただ、米大統領選後の11月に南米で開催予定の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)などに合わせて対面会談する選択肢も残されている。
米中両政府の発表によると、サリバン、王両氏は軍高官によるビデオ会談の実施、人工知能(AI)に関する政府間対話の継続などで合意。米中両軍が近く、司令官レベルで協議する。気候変動問題も取り上げ、同問題を担当するポデスタ米大統領上級顧問が近く訪中することを確認した。
米中双方が会談を「率直で建設的だった」と評価した。ただ、台湾海峡や南シナ海問題を巡っては原則論の応酬となったもようだ。
王氏は、米国に台湾への武器供与を停止するよう要求。フィリピンと領有権争いを繰り広げる南シナ海問題に関しては「米国はフィリピンとの(相互防衛)条約を口実に、中国の主権を侵害すべきではない」と主張した。
サリバン氏は「米中関係の持続的発展は米国の政策目標だ。戦略的意思疎通を継続することで、両国間の誤解を減らしていく」と強調。ロシアの防衛産業基盤への支援や、南シナ海での比船舶に対する妨害行為に関して懸念を表明した。
[時事通信社]
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