琥珀から新種ハチの化石=体長0.4ミリ―福島県立博物館など
福島県いわき市にある約8800万~8630万年前(白亜紀後期)の地層から、琥珀(こはく)に入った新種のハチの化石が発見された。現代の昆虫で世界最小級となる「ホソハネコバチ」の仲間で、体長0.4ミリほど。雌雄1体ずつがほぼ完全な形で残っており、当時の昆虫の生態を知る上で重要な資料という。福島県立博物館などの共同研究チームが7月、日本古生物学会の国際学術誌で発表した。
化石が見つかったのは、日本有数の琥珀の産地で、恐竜など多くの古代生物の化石が発見されている「双葉層群」の地層。地元の化石愛好家鈴木千里さん(75)が20年以上前に掘り出したが、学術的な分析は進んでいなかった。
研究チームは鈴木さんから寄贈を受け、1年ほどかけて琥珀を分析。これまでに世界で10種見つかったムカシホソハネコバチの化石などと比較したところ、頭部や羽などに他にない特徴が見つかったため新種と特定した。鈴木さんにちなみ、「チサトムカシホソハネコバチ」と名付けた。
いわき市内の製麺所で会長を務める鈴木さんは、約60年間発掘を続けており、自身の名が付く新種は今回で3件目。「大変光栄だ。活動を支えてくれた家族に感謝している」と喜ぶ。
研究チームの猪瀬弘瑛・県立博物館主任学芸員は「付近の地層から、当時としては珍しい花を咲かせる植物の化石も見つかっている。今回の発見が、現在まで続く植物と昆虫との共生関係の起源の解明につながれば」と期待する。
[時事通信社]
最新動画
最新ニュース
-
次世代太陽電池で原発20基分=40年の普及目標―経産省
-
G7外相会合が開幕=中東・ウクライナ議論
-
生稲晃子氏の「靖国参拝」は誤り=共同通信「深くおわび」
-
英仏、ウクライナ派兵議論か=トランプ氏就任に備え―ルモンド紙報道
-
米国向け、中国からタイに移管=事務機、日欧分など生産継続―リコー
写真特集
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕
-
閉会式〔パリ五輪〕
-
レスリング〔パリ五輪〕