林官房長官、総裁選対応に苦慮=台風影響、岸田首相外遊で制約も
林芳正官房長官が、9月の自民党総裁選出馬の表明時期を慎重に検討している。27日に記者会見を開き表明する案もあったが、台風10号の接近で見送った。官房長官は政府で危機管理を担当しており、今後も公務と総裁選への対応のはざまで苦慮しそうだ。
林氏は26日午前の定例記者会見で、「災害対策をはじめ官房長官としての職責を果たす」と強調。一方で、「閣僚としての職務に支障のない範囲で堂々と論戦を行うことが重要だ」と述べ、総裁選と公務の両立は可能との認識を示した。
「次期総裁」を問う報道各社の世論調査で、林氏は既に出馬を表明した石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相らの後塵(こうじん)を拝している。陣営には活動を本格化させるため早期表明を促す声もある。
しかし、林氏は26日午後、国会内で記者団に、台風対応を挙げ「私の本務なので、状況を見極めながらスケジュールを判断したい」と説明。林氏周辺も「台風が近づいている中で表明すれば、自分優先と思われてしまう」と指摘した。
出馬を表明しても、林氏は公務との「二刀流」を迫られる。岸田文雄首相は9月上旬に韓国訪問を調整。同下旬には米ニューヨークを訪れ国連総会一般討論演説に臨む。首相か官房長官のいずれかが東京都内に不在の場合、危機管理のためもう1人がとどまるのが通例だ。
過去には、2006年に安倍晋三氏、20年に菅義偉氏が官房長官として総裁選に臨み勝利した。再現を狙う林氏にとって気をもむ日々は続きそうだ。
[時事通信社]
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