知的障害女性に性的虐待=施設側に180万円賠償命令―東京地裁
知的障害のある30代女性が、障害者福祉施設の施設長だった男性から性的虐待を受けたとして、男性と運営する東京のNPO法人「はらから東京の会」(現なないろ)に計500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。新谷祐子裁判長は「性的虐待に当たる」と認め、男性と法人に計180万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は2011年から法人が運営する作業所に勤務。男性は当時、作業所の施設長だった。
新谷裁判長は男性が遅くとも15年6月から19年まで、ほぼ毎日女性の尻や下腹部を触るなどしたと指摘。その上で女性が触るよう求めたとする男性の主張について、女性は障害の影響で性的行為の意味を正しく理解しておらず、それを男性も認識していたと退け、性的虐待だと認定した。
問題発覚後、法人が女性の成育歴などを記載した報告書を関係先に送付したことも、「女性のプライバシーを侵害した」として違法と判断した。
判決後の記者会見で、女性は「ほっとしている」と話した。代理人の杉浦ひとみ弁護士は「障害者の特性について非常に丁寧な認定をしてくれた」と評価した。
なないろの話 主張が認められず非常に残念。判決を精査して今後の対応を検討したい。
[時事通信社]
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