中比船舶、再び衝突=南シナ海のサビナ礁
【マニラ、北京時事】フィリピン政府は25日、南シナ海南沙(英語名・スプラトリー)諸島のサビナ礁近海で同日、比側の船が中国側船舶から体当たりされるなどの妨害を受けたことを明らかにした。中国海警局も「不法侵入」した比側の船を取り締まった際に衝突が起きたと発表した。
同海域では19日に海警船が体当たりした比側の船に穴が開くなどの損傷が出たばかり。南シナ海を巡る両国の応酬が一層激化する可能性がある。
サビナ礁はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にあるが、中国が領有権を主張。比政府などによると、拠点に物資を運搬中の比側の船が中国海警局などの船8隻に囲まれて複数回体当たりされ、1時間近く放水銃を浴びせられた。比側の船はエンジンに不具合が生じ、物資運搬の中止を余儀なくされたという。
中国海警局は報道官談話で「比船が故意に衝突してきた。責任は完全に比側にある」と非難した。
南シナ海では、スカボロー礁(中国名・黄岩島)空域で8日と19日に中国軍機が比航空機の至近距離に火炎弾「フレア」を発射。中国が実効支配するスービ礁付近でも22日に比航空機に対するフレアの使用が確認されており、中国は海空双方で威嚇行為を強めている。
[時事通信社]
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