ハリス氏、多様性を前面=指名受諾演説「皆の大統領に」―トランプ氏批判、名指し16回・米民主党大会
【シカゴ時事】米民主党大会は最終日の22日、カマラ・ハリス副大統領(59)が大統領候補としての指名受諾演説を行った。ハリス氏は「党、人種、ジェンダー、あなたの祖母が話す言語に関係なく、全ての米国人の大統領になると約束する」と表明。多様性を前面に出し、米国初の黒人・アジア系の女性大統領を目指す決意を示した。
米大統領選の有力女性候補は、2016年に出馬した民主党のクリントン元国務長官に次ぎ2人目となる。
ハリス氏は約40分間の演説で、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)が「ホワイトハウスに返り咲けば、影響は極めて深刻だ」と指摘。トランプ氏を16回名指しし、「大統領という巨大な権力をあなたの生活向上や安全保障の強化ではなく、自分自身のために用いるだろう」などと批判を繰り返した。
自らの政策については「中間層の強化が大統領としての私の決定的な目標だ」と明言。人工妊娠中絶や生殖の自由を保護し、移民制度の改革に取り組むと語った。また、11月の大統領選は「分断を招いた過去の争いを乗り越え、新しい道を切り開く機会だ」とも強調した。
ハリス氏は党予備選を経ずに指名され、人となりがよく知られていないため、中間層出身であることをアピールし、義父に性的虐待を受けていた親友を保護したことをきっかけに検事を目指した来歴などを紹介した。
外交面では、パレスチナ自治区ガザでの停戦を実現すべきだとの考えを示した。ロシアに侵攻されたウクライナや、北大西洋条約機構(NATO)への支持も表明。また、「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記のような独裁者に擦り寄るつもりはない」と断言した。
[時事通信社]
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