エムポックス、スウェーデン初の感染者 欧州拡大を警戒 WHO
【コペンハーゲンAFP=時事】コンゴ民主共和国で数百人の死者が出ているウイルス感染症「エムポックス(サル痘)」について、スウェーデンがアフリカ以外で初の感染事例を報告し、世界保健機関(WHO)は15日、欧州への感染拡大を警告した。≪写真はエムポックスウイルスに感染した患者の手。ペルーの首都リマの病院で≫
WHOは14日、アフリカでのエムポックス流行を受け、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言した。WHOはコンゴ民主共和国での感染者と死者の増加、およびブルンジ、ケニア、ルワンダ、ウガンダへの感染拡大を懸念している。
翌15日、スウェーデン当局は、アフリカの流行地域から帰国した旅行者の感染を報告した。
エムポックスウイルスには、アフリカ中部を中心に発生するコンゴ盆地系統群(クレード1)と、西アフリカ系統群(クレード2)の2種類の系統群があり、クレード1の方が毒性が強く致死率も高い。
スウェーデン公衆衛生局はAFPに対し、旅行者から確認されたのは、コンゴで猛威を振るっているクレード1の亜系統「クレード1b」だと述べた。クレード1の症例が確認されたのは、アフリカ以外で初だという。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)は現在、市中感染が起きるリスクは非常に低いと考えているが、WHOの欧州支部はスウェーデン当局と対応策について協議中だとしている。
コンゴ民主共和国のサミュエルロジャー・カンバ保健相によると、感染は同国の26州すべてで確認されており、年初来、1万5664件の疑い症例と548人の死者が記録されている。【翻訳編集AFPBBNews】
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