プーチン氏、ウクライナ軍の「駆逐」命令 越境攻撃で12万人超避難
【モスクワAFP=時事】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は12日、ウクライナ軍による越境攻撃で12万人以上が避難したとの報告を受け、領内に侵入したウクライナ軍を「駆逐」するよう軍に命じた。≪写真は、ロシアの首都モスクワの大統領府で、国際軍事・技術フォーラム「アーミー2024」の開会の辞を動画で述べるウラジーミル・プーチン大統領≫
ウクライナは今月6日、ロシア西部クルスク州に奇襲攻撃を仕掛け、28の町村を制圧した。この越境攻撃は、外国軍のロシア領への攻撃としては第2次世界大戦以降最大とされる。
クルスク州のアレクセイ・スミルノフ知事はプーチン氏との会合で、ウクライナ軍による越境攻撃開始以降、約12万1000人が州外に避難したと報告。攻撃により、民間人少なくとも12人が死亡、121人が負傷したと述べた。
スミルノフ氏は、ウクライナ軍が国境から少なくとも12キロ進軍し、28の町村を掌握したとしている。新たな戦線は40キロに及んでいる。
プーチン氏はテレビ中継された政府高官との会合で、「敵の明白な目標の一つは不和の種をまき」「ロシア社会の結束を破壊する」ことにあると指摘。「国防省の主要任務は言うまでもなく、領内から敵を駆逐することだ」と訴えた。
クルスク州当局は12日、避難区域を拡大し、人口約1万4000人の地区も含むと発表した。隣接するベルゴロド州も、国境地帯で住民の避難を開始したと明らかにした。
一方、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は12日に投稿した動画でウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対して、「現時点では、ロシア領約1000平方キロを制圧している」と述べ、制圧範囲はロシア側の主張の2倍以上であることを示唆。
ほぼ全戦線で戦闘が続いているが、「戦況はわが軍が支配している」と主張した。
ゼレンスキー氏は夜に行った国民向けの演説で、越境攻撃は「純粋に安全保障上の問題」で、同国軍が制圧したのは「ロシア軍がわが国のスムイ州への攻撃を仕掛けた地域」だと説明した。 【翻訳編集AFPBBNews】
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