若き日本、メダル2個は及第点=選考レースに課題も―卓球〔五輪〕
卓球は10日に全日程が終了し、日本勢のメダルは2個だった。女子団体が銀メダル、同シングルスの早田ひな(日本生命)が銅を獲得した。決勝進出が期待された混合ダブルスの張本智和(智和企画)早田組は1回戦で敗れ、男子もメダルなしに終わったが、東京五輪後に若返りを図った日本にとっては及第点と言っていい。
女子シングルス代表は2年という長期の選考レースを勝ち抜いた早田と平野美宇(木下グループ)。全日本選手権など主に国内開催の大会が選考会として設定された。張本美和(同)は上位2枠に入れず団体メンバーでの出場となったが「選考会があったからこそ、今ここに立てている」と実感。2022年には最高でも40位台だった世界ランキングが今ではトップ10に。国内で日本のトップ選手と何度も対戦できたことが成長につながった。
一方で、選考会の過密な日程は海外のツアー大会を回る上で妨げになる場合もあった。伊藤美誠(スターツ)はコンディション調整に苦しみ、結局五輪代表を逃した。ある選手は、選考会に出ても「中国に勝つ力は全く付かない」と漏らした。
世界ランクは五輪のシード順と直結する。日本代表が正式決定したのは今年2月。その時点で世界ランクを上げられていない選手もいて、早田と張本智も五輪直前までツアー大会を転戦した。2人は五輪期間中にコンディション不良に見舞われたが、事前に余裕を持って調整できれば避けられたかもしれない。
28年ロサンゼルス五輪の代表選考について、日本卓球協会の宮崎義仁専務理事は「世界ランクが中心になるのではないか」との見通しを示している。若手中心のチームがパリで積んだ経験を次につなぐため、新たな強化策を練っていく必要がある。 (時事)
[時事通信社]
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