2025-01-16 05:42社会

盗んだ金品、写真で記録=別の顧客資産で補填繰り返す―三菱UFJ元行員窃盗・警視庁

三菱UFJ銀行(資料写真)
三菱UFJ銀行(資料写真)

 三菱UFJ銀行の貸金庫から顧客の資産が盗まれた事件で、逮捕された元支店長代理、今村由香理容疑者(46)が、顧客の現金や金塊を盗む際、貸金庫内をスマートフォンで撮影していたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。
 警視庁捜査2課は、今村容疑者が発覚を遅らせるため、撮影した写真を参考にして、盗んだ現金や金塊を元通りの配置で貸金庫に戻すなどしていたとみて詳しく調べる。
 同課によると、窃盗の被害に遭った顧客は少なくとも約60人、貸金庫から盗んだ現金や金塊は総額17億円相当に上るとみられる。
 捜査関係者によると、今村容疑者は現金や金塊を盗む際、貸金庫内にどのように置かれていたか分かるように、スマホで内部を撮影するなどしていた。
 顧客の来店予定を把握すると、写真を参考に盗んだのと同額の現金を別の顧客の貸金庫から移したり、金塊を質に入れて用意した現金を置いたりして、被害が発覚しないようにしていた。
 ほかの貸金庫などから補填(ほてん)しやすいため現金を盗むことが多く、貴金属に関しては「金塊以外は手を付けていない」と供述。同課は、少なくとも10億円の損失を出した外国為替証拠金取引(FX取引)に流用するため、窃盗を繰り返したとみている。
 今村容疑者は昨年9月下旬、練馬支店の貸金庫から顧客2人の金塊計約20キログラム(2億6000万円相当)を盗んだとして、窃盗容疑で逮捕された。 
[時事通信社]

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