不測のけがでも諦めず=早田、パリの経験をばねに―卓球〔五輪〕
卓球女子のエース、早田ひな(日本生命)の初めての五輪が幕を閉じた。大会中に左腕を痛め、最大限のパフォーマンスは発揮できなかった。それでも「諦めずに最後までやり切れた」と話し、すがすがしい表情で戦い終えた。
もともと、けがをしやすいだけに、万全ではない状況を想定して練習を重ねてきた。「熱が出ても、フォアが入らなくても勝てるように準備をしている」。ただ、ラケットを扱う左腕を痛めてしまっては対応が難しかった。
大会前半のシングルスではバックハンドがほとんど使えず、メダル獲得が危ぶまれた。それでも3位決定戦で申裕斌(韓国)を下し、後半の団体では第1試合のダブルスでチームに勢いを与える役割を十分に果たした。中国との決勝で、ようやくバックの強打も打てるようになった。金メダルは逃しても「けがのことを忘れて本気で楽しめた」と笑顔を見せた。
混合ダブルスを含む3種目で頂点を目指しながら、シングルスで銅、団体は銀。「次に金を取るために、神様が私に試練を与えているのかな」と受け止める。東京五輪で団体補欠だった経験も含めて、悔しさをばねに成長してきた。今回の苦い思い出も糧にできるだろう。 (時事)
[時事通信社]
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