ハリス氏、米国の「大きな壁」に挑む=多様性の象徴―女性、黒人、アジア系・米大統領選
【ワシントン時事】11月の米大統領選で、ハリス副大統領(59)が民主党候補に指名された。ジャマイカ系黒人の父とインド系の母を持ち、「多様性」の象徴としてカリフォルニア州司法長官、上院議員などを歴任、国のナンバー2にまで上り詰めた。共和党候補のトランプ前大統領(78)を相手に、「この国に存在する大きな壁」(ハリス氏)に挑む。
両親の離婚後、高校時代は母、妹とカナダで暮らした。米首都ワシントンにある黒人が通う名門ハワード大学に進学。カリフォルニア大法科大学院を修了し、地方検事に就任した。女性や少数派の権利擁護などに尽力、州司法長官を経て上院議員に転じた。
2020年の大統領選に出馬するが、民主党の混戦から抜けられず早期に撤退。一方、多様なバックグラウンドを期待されてバイデン大統領の伴走者に選ばれた。翌21年1月、女性、黒人、アジア系として米国初の副大統領に就任した。
女性の人工妊娠中絶の権利を訴え、若者世代を中心に支持を広げた。しかし側近らの辞任が相次ぎ、人望が薄いとの指摘もある。担当となった不法移民問題は、十分な対策を取らなかったと共和党の攻撃材料になっている。
大統領選まで100日余りの時点でバイデン氏から「後継指名」を受けた。短期間で党内をまとめ上げた勢いに乗り、支持率でもトランプ氏とほぼ互角となっている。
外交・安全保障に関しては、バイデン氏のような豊富な経験はなく未知数。22年には故安倍晋三元首相の国葬参列のために訪日している。
[時事通信社]
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