欧州中銀、中立姿勢強調=市場は9月の追加利下げ予想
【ロンドン時事】欧州中央銀行(ECB)は18日の定例理事会で、政策金利の据え置きを決めた。前回6月の会合では4年9カ月ぶりの利下げに踏み切ったが、ラガルド総裁は金融政策の先行きについて中立の姿勢を強調。ただ、市場参加者の多くは依然として次回9月会合での追加利下げを予想している。
ラガルド氏はこの日の記者会見で、政策金利の方向性は「事前に決めていない」と言明。9月会合で何をするかは「幅広く開かれている」と述べ、さまざまなデータに基づいて利下げの是非を判断する考えを改めて示した。
一方、低調な製造業に触れ、「短期的には均衡している」としてきた景気に対する評価を「下向きに傾いている」に修正。また、5月に見られたユーロ圏の消費者物価指数の上昇加速は「一時的」だったとして、9月の利下げに含みを持たせた。
これまで注目してきたサービス価格の高止まりの要因である賃金上昇に関しては、高インフレに伴う消費者の購買力低下を補うと説明。賃金上昇はまだ進むものの、「最も影響が大きいのは2024年」で、上昇傾向は「25年、さらに26年には大幅に鈍化」し、26年前半にはECBの掲げる2%のインフレ率目標に見合った水準に戻るとみている。
三井住友銀行の前中康志シニアエコノミストは、理事会内で「賃金上昇の重要性が落ちてきている」と指摘。その上で「物価(の伸び)が落ち、景気にも減速傾向が見えれば、必然的に利下げ方向に調整していかざるを得ない」と述べた。
[時事通信社]
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