昨夏の北日本「海洋熱波」の可能性=今夏も影響か―気象庁など
北日本(北海道や東北)に昨夏、猛暑をもたらした原因の一つに、海水温の極端な高温が続く「海洋熱波」と呼ばれる現象が影響した可能性が高いと、気象庁などの研究グループが19日、発表した。今年も北日本の太平洋側で水温の高い状態が続いており、東京大の中村尚教授は「(昨年と)同じようなプロセスで気温に影響してくる」と話している。
「海洋熱波」は異常に高い海面水温が数日から数カ月持続する現象。昨夏は暖かい黒潮が通常よりも北上したことで発生し、北日本の太平洋側で海水温が上昇した。三陸沖では昨年6~8月の海水温が平年に比べて約4度上昇した所もあったという。
例年は太平洋高気圧によって暖められた空気が冷たい海水と接することで雲が発生し、日光が遮られる。一方、昨年は海水温が高かったために雲ができず、強い日光と海から蒸発した水蒸気で高温多湿状態が続いたという。
研究は気象庁と海洋研究開発機構、東京大、北海道大が共同で実施。同庁の佐藤大卓予報官は「海洋熱波と猛暑の関係をより明らかにすることで、今後発表する季節予報の精度向上が期待される」と語った。
[時事通信社]
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