パリは芸術の五輪=ポスターや切手、100年前も
パリ五輪は芸術との結び付きが強い。市内にはルーブルやオルセーなど数多くの美術館がある。五輪にちなんだ特別展示が行われるなど、芸術面でも盛り上がっている。
大会に向けては公式ポスターや記念切手などが作成された。ポスターは五輪のテーマ「オープン」を表現。エッフェル塔や凱旋(がいせん)門など街のシンボルと五輪の競技が描かれ、都市の中心にスポーツが持ち込まれた様子を表している。大会組織委員会のエスタンゲ会長は「私たちのゲームを物語っている」と誇らしげだ。
切手はピンクや金色を使ったカラフルなもので、エッフェル塔やセーヌ川、陸上トラックがデザインされている。80万枚が発行された。
100年前の1924年パリ五輪でも、この二つは作成された。当時のポスター、切手は現在、パリ市内の造幣局博物館で展示されている。フランスでは特別な機会に硬貨を発行する慣習もあり、多くの種類の記念コインが造幣局で造られている。
今大会では選手へのメダル授与式も芸術の面で注目を集めそう。メダルは宝飾品ブランドのショーメがデザイン。エッフェル塔の鉄片が真ん中に埋め込まれているのが特徴だ。「塔の一部をメダリストに贈りたかった」とエスタンゲ会長。独創性のあふれるものになった。
表彰式でメダルを運ぶトランク、そして授与の際に使用するトレーはいずれもフランスの高級ブランド、ルイ・ヴィトンを傘下に持つLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)がデザインした。ボランティアが着用するユニホームも同様で、100年前のパリ大会当時のシルエットをイメージした。
五輪開幕が目前に迫ったパリの街中、大会運営にも美への強い意識や芸術性を感じることができる。 (パリ時事)
[時事通信社]
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