イスラエル国防相、ガザ停戦へ条件整う=ネタニヤフ首相が交渉妨害か
【カイロ時事】イスラエル国防省の17日の声明によると、ガラント国防相はオースティン米国防長官と電話会談し、パレスチナ自治区ガザでの停戦とイスラム組織ハマスが拘束する人質の解放を巡り、ハマスとの合意条件が整ったとの認識を示した。だが、イスラエルのネタニヤフ首相が政権維持を目的に合意に至らないよう妨害しているとも報じられ、先行きに不透明感が漂っている。
ガラント氏は会談でガザの戦況を説明。「軍の作戦が合意に必要な条件をもたらした」と話した。ガラント氏は別の非公開の会合でも同様の考えを明らかにし、合意妥結に至らない理由としてネタニヤフ氏を挙げたとされる。
ネタニヤフ氏は最近、ハマスが密輸武器の入手拠点とするガザ・エジプト境界の緩衝地帯を引き続きイスラエルが管理することを要求。ハマスの戦闘員が再びガザ北部に戻らないことも求めた。
イスラエル紙エルサレム・ポストは16日、関係筋の話として、これら二つの要求はイスラエルの治安とは無関係で、ネタニヤフ氏は連立政権の一角を占める極右政党党首のベングビール国家治安相が「ネタニヤフ降ろし」に動かないことだけを気にしていると伝えた。
関係筋は同紙に、ハマスが先に、これまで固執していた「恒久停戦」確約の要求を取り下げたことで、今週か来週には停戦合意が実現し、多数の人質が帰還していた可能性があったと述べた。極右政党はハマスとの停戦に強く反対している。
そうした中、イスラエルはガザ各地で学校への攻撃を継続。AFP通信によれば、16日には中部ヌセイラト難民キャンプにある国連運営の学校が空爆され、25人が死亡した。
[時事通信社]
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