「力による平和」前面=同盟国に責任分担要求―共和党綱領・米大統領選
【ワシントン時事】米大統領選に向けて共和党が15日に採択した政策綱領は、外交・安全保障分野で「軍近代化」や「同盟強化」を通じて国益を守る「力による平和への回帰」を前面に押し出した。同盟国に責任分担を求める記述も盛り込み、トランプ前大統領が掲げる「米国第一」の理念が貫かれている。
綱領は「米国民の安全を守るには、強い米国が必要だ」と強調し、バイデン政権の外交政策を「弱腰」「世界の笑いもの」などと非難。国益や軍近代化、同盟や外交力の強化、国境や重要インフラの防衛など七つの項目に分けて方針を列挙し、トランプ氏の考えを政策に落とし込んだ。
同盟強化では「共同防衛に投資する義務を同盟国に履行させるとともに、欧州に平和を取り戻す」と記載した。「取引(ディール)」にこだわるトランプ氏は集団防衛義務のほごを脅しに、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に国防支出拡大を迫る構え。ロシアによる侵攻が続くウクライナの和平にも意欲を示している。
インド太平洋地域については「他国との平和と通商の中で繁栄し、強く、主権を持ち、独立した国々を支持する」と明記した。だが、2016年綱領で連帯を示した日本や韓国などとの同盟関係には触れず。「中国に対抗する」との文言は入ったが、台湾海峡での「一方的な現状変更への反対」にも言及しなかった。
パレスチナ自治区ガザで衝突が続く中東情勢に関しては「イスラエルと共に立ち、中東和平を追求する」と強調した。パレスチナ国家樹立を通じた「2国家共存」には触れていない。
20年の前回大会では、トランプ氏の2期目の公約として「米国第一の外交政策」と題し、「戦争終結・米兵帰還」「同盟国との責任分担」など五つの項目を並べていた。
[時事通信社]
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