防衛白書、中国への警戒前面=中台緊張「高まる可能性」
防衛省は12日、2024年版防衛白書を公表した。中国軍の太平洋側への活動範囲拡大などを踏まえ、中国の軍事動向に対する警戒を前面に押し出した内容となった。白書は台湾海峡情勢について「中国側の軍事活動活発化により、緊張が高まる可能性も否定できない」と危機感を示した。
木原稔防衛相は巻頭言で「中国は軍事力を急速に増強し、尖閣諸島周辺を含む東シナ海や太平洋などで活動を活発化させている」と指摘。本文中では中国軍の活動範囲について、昨年版になかった「伊豆・小笠原諸島周辺を含む西太平洋などわが国周辺全体」との記述を加え、警鐘を鳴らした。
中台関係については中国軍が「台湾を取り囲むように恒常展開する態勢を構築している」と分析。「台湾東西からの挟撃や第三国の介入阻止」を想定した訓練を増やし、実戦能力の向上を図っていると懸念を示した。
北朝鮮に関しては発射の兆候がつかみにくい固体燃料式の弾道ミサイルや軍事偵察衛星の開発を捉え、「質的な意味で能力向上に注力している」と解説。ウクライナ情勢では北朝鮮からロシアへの武器支援に触れ、「(ロシアは)長期にわたって戦闘を継続できるとの指摘もある」と記した。
近年の自衛隊員の採用難を踏まえ、巻頭特集では勤務の様子や処遇改善策を紹介し、親しみやすさをアピールした。ただ、白書が公表された12日、防衛省は「特定秘密」の不適切管理や内部部局のパワハラで218人の処分を公表。省内からは「全く宣伝にならない」(関係者)と嘆く声も出ている。
[時事通信社]
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