立民、勢いに冷や水=共産との共闘に不満―都知事選
立憲民主党は、事実上の与野党対決と位置付けた東京都知事選で支援した蓮舫氏が完敗し、このところの勢いに冷や水を浴びせられる形となった。次期衆院選に向け、敗因の分析を急ぐ方針だ。
「非常に厳しい結果になった。よく検証したい」。立民の大串博志選対委員長は7日、党本部で記者団にこう語った。政党の支援を受けなかった前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏に善戦を許したこともあり、衝撃は大きい。
立民は4月の衆院3補欠選挙で全勝。自民党派閥の裏金事件を追い風に、岸田政権に対する批判票の受け皿となった。5月の静岡県知事選でも推薦候補が当選。都知事選で一段と弾みをつける算段だった。
前参院議員の蓮舫氏は都知事選告示直前まで立民所属。旧民進党で代表を務めたこともある。それだけに立民としては手痛い「黒星」と言え、党内には「失敗だった」「いつまでも裏金批判だけでは駄目だ」といった声が漏れた。
今回、蓮舫氏は「オール東京」を旗印に、党派色を消す戦術で臨んだ。ただ、実態は立民都連と共産党の二人三脚に近く、蓮舫氏の街頭演説には共産の田村智子委員長や志位和夫議長が駆けつけた。都議補選では両党が候補者をすみ分けた。
しかし、立民内には「共産と一体に見られたのではないか」(関係者)といった不満がくすぶっており、大串氏も「無党派層に対する訴求が弱かった」と認めた。中堅議員は「いったん総括した方がいい」と語った。
一方、共産の小池晃書記局長は都内で記者団に「(共闘に)課題があることは間違いないが、マイナスに働いたようなことは一切ない」と強調した。
[時事通信社]
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