野党、石破首相「変節」追及へ=解散目前、7日に衆院代表質問
石破茂首相の所信表明演説に対する各党代表質問が7日、衆院本会議で行われる。新政権発足後、初の国会論戦となるが、首相は野党が求めた予算委員会は拒み、9日に衆院を解散する方針。立憲民主党の野田佳彦代表らが質問に立ち、野党側は、国会審議を重視する考えを当初示していた首相の「変節」を追及する。
野田氏は5日、視察先の石川県輪島市で記者団に「(衆院選が)早ければ早いほど、自分たちに有利だ(と考えている)としか思えない」と述べ、石破政権の対応を批判した。
7日は日本維新の会の馬場伸幸代表、共産党の志位和夫議長、国民民主党の玉木雄一郎代表らも首相に論戦を挑む。
8日に参院本会議での代表質問、9日に党首討論が行われた後、衆院は解散され、与野党は衆院選(15日公示、27日投開票)に向けた事実上の選挙戦に突入。3日間の国会論戦は前哨戦となる。
首相は9月の自民党総裁選で、衆院解散について「今すぐやるとはならない」と述べ、国会での論戦を一定程度交わしてから国民の信を問う考えを示していた。しかし、新総裁に選出後の9月30日、首相就任前にもかかわらず異例の解散表明に踏み切った。自民は野党に予算委開催に応じない考えを伝えた。
野田氏は自民派閥の裏金事件などを念頭に「臭いものにふたをするとしか思えない」と批判。衆院選での政権交代の実現に向け、代表質問の直接対決で「言行不一致」を問いただす構えだ。
裏金事件を巡り、首相は4日の所信表明演説で、関係した議員と「改めて向き合い反省を求める」と述べるにとどめ、再調査に消極的な姿勢を重ねて示した。玉木氏は「再調査は不可欠だ」と主張しており、実態解明を迫り、首相に圧力をかける方針だ。
首相は総裁選で訴えた「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」や日米地位協定改定に、演説では一切触れなかった。野党側は首相の認識を問い、石破政権を揺さぶりたい考えだ。
[時事通信社]
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