次期衆院選へ危機感消えず=自民、都議補選も注視―都知事選
自民党は、事実上の与野党対決となった東京都知事選に「勝利」し、最近の国政、地方選挙での連敗を止めた形だ。ただ、支援した小池百合子知事の地力による面が大きく、派閥の裏金事件や岸田文雄首相(自民総裁)の政権運営に対する世論の批判はなお根強い。同じく7日投開票の都議補欠選挙は、事件に絡み処分を受けた萩生田光一前政調会長の地元・八王子で敗れるなど厳しい結果が出ており、次期衆院選への危機感は消えない。
自民の小渕優子選対委員長はコメントを発表し、「小池知事の2期8年の実績が高く評価された」と強調。「今後の全国における選挙に大きな弾みになる」と成果をアピールする一方で、「政治の信頼回復はいまだ途上だ。改めて襟を正し、改革に取り組む」とも記した。
都知事選で、自民は独自候補の擁立を見送り、政党色を抑えたい小池氏の意向に配慮し、推薦も出さなかった。裏金事件の逆風が続く中、党幹部や閣僚が街頭で支持を呼び掛けることはなく、党都連を中心に組織・団体の「ステルス支援」に徹さざるを得なかった。
こうした状況下で、党内に今後を楽観する声は乏しい。閣僚経験者は「(裏金事件の)ネガティブなイメージからは逃れられない。党への追い風にはならない」と指摘。稲田朋美幹事長代理はNHK番組で、石丸伸二氏の善戦に触れ、「既存政党への批判と、『政治を変えてくれるかも』との期待があった。わが党も良いところは残しつつ、変えていくことが強く求められている」と述べた。
[時事通信社]
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