収まらぬバイデン氏撤退論=民主現職議員が公然要求―米大統領選
【ワシントン時事】先の米大統領候補テレビ討論会で「失態」を演じ、高齢不安を再燃させたバイデン大統領(81)に対する候補交代論が収まらない。2日には現職の民主党議員が初めて公式に撤退を要請。バイデン氏は激戦州での演説を増やすなど不安払拭に努めるが、先行きは流動的だ。
民主党のドゲット下院議員(テキサス州選出)は2日の声明で、バイデン氏が激戦州の世論調査で軒並みトランプ前大統領に後れを取る上、討論会で「トランプ氏のうそを暴くことに失敗した」と批判。「つらく困難だが、彼が撤退という結論を下すことを期待している」とつづった。
バイデン氏の立候補継続を支持してきた党重鎮にも動揺の色が見え始めた。ペロシ元下院議長は討論会の結果について、MSNBCテレビで「これが一度の出来事なのか、それとも普段の姿なのかを問うのは正当だ」と指摘。バイデン氏の盟友クライバーン下院議員も、大統領の健康状態について「医療の専門家の意見を待たなければならない」と言及した。
こうした中、バイデン氏は2日の選挙資金集め集会で、討論会の失敗は直前に海外出張が重なったことによる疲れが原因だと釈明。「賢明ではなかった。ステージで眠りそうになった」と述べた。
討論会後に実施された複数の世論調査では、トランプ氏との支持率の差が決定的に広がった兆候はない。ただ、バイデン氏の年齢を理由に「出馬すべきでない」とする回答がCBSテレビの調査で72%に上るなど、討論会前よりも増える傾向が見られた。
バイデン氏は不安を打ち消すため、今週、可能な限り避けてきたメディアのインタビューに応じるほか、激戦区の中西部ウィスコンシン州や東部ペンシルベニア州を行脚し支持を訴える。ただ、こうした場で言い間違いをしたり、つまずいたりすれば逆効果となる恐れもあり、党内の緊張は続きそうだ。
[時事通信社]
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