中ロ首脳、ウクライナ情勢巡り会談へ=前のめりのプーチン氏―上海協力機構首脳会議が3日開幕
中ロ主導の上海協力機構(SCO)首脳会議が3日、カザフスタンの首都アスタナで開幕する。中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は5月に続き首脳会談を個別に行い、結束を誇示するとみられる。特に、ウクライナ侵攻を続けるプーチン氏にとって、中国の支援は重要で、関係強化に前のめりとなっている。
プーチン氏は今回の習氏との会談で、ウクライナ侵攻での側面支援を続けるよう働き掛けるもようだ。習氏は6月中旬、ウクライナが提唱した和平案に関する「平和サミット」を欠席するなど、ロシアに配慮した外交を展開。新興国がウクライナ寄りとならないように中国がリードしている面があり、プーチン氏は習氏の影響力を頼りにせざるを得ない。
一方で、中国は米国との決定的な対立を避けるため、表向きはロシアに対する軍事的な協力を控えている。また、プーチン氏が6月に平壌を訪問するなど、ロシアが北朝鮮との関係を急速に強化していることに対して、中国が不快感を抱いているとの見方もある。
このため、プーチン氏は今回の首脳会談で、中国が重視する懸案で足並みをそろえ、習氏の警戒を和らげることに全力を挙げるとみられる。プーチン氏は最近、台湾問題や南シナ海問題で中国を支持する立場を繰り返し強調している。
6月下旬には、南シナ海問題で中国と対立するフィリピンに、米国が中距離ミサイルシステムを展開したことを理由の一つとして、「(米国に)対抗する」と表明。米ロの中距離核戦力(INF)全廃条約(2019年に失効)で禁止されていた地上発射型ミサイルの製造と配備の必要性に言及した。
SCO首脳会議は4日に閉幕。米国主導の国際秩序に対抗する枠組みとして存在感をアピールする見通し。
[時事通信社]
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