岸田首相、総裁選にらみ地方行脚=山梨で視察・懇談、政策訴え
岸田文雄首相(自民党総裁)は29日、山梨県を訪れ、農業施設や工場の視察、自民党県連幹部との懇談を行った。9月に想定される党総裁選に向けた全国行脚を事実上開始した。政権の実績や新たな政策課題に取り組む姿勢を訴え、再選に不可欠な党員の支持固めを図る狙いがある。
首相は北杜市で、人工知能(AI)など先端技術を活用した「スマート農業」に取り組む企業を訪問し、トマト栽培の現場を視察。説明を受けた首相は「本当にみずみずしい」と話し、収穫されたトマトやイチゴを試食した。
視察後、首相は記者団に対し、スマート農業の拡大に向け「来年度予算より新しい交付金の創設を考えていく。検討を加速していきたい」と表明した。
韮崎市にある、半導体部品の製造会社の工場も訪れ、同社幹部らと意見交換。中堅企業の賃上げや設備投資を支援する政府の方針を説明した。
視察に先立ち、甲府市のホテルで県連幹部らと懇談した。出席者によると、首相は「政治資金の問題で迷惑をかけた。しっかり信頼回復できるよう取り組む」と述べ、子育て支援や地域振興に力を入れる考えを強調。総裁選に関する発言はなかったという。
首相は7月1日には能登半島地震の被災地である石川県も訪れる。総裁選では党員票の獲得が重要になることを見据え、地方行脚を今後本格化させる。賃上げや物価高対策などの実績を説明し、低迷する内閣支持率の反転につなげたい考えだ。
ただ、首相を取り巻く環境は厳しさを増している。菅義偉前首相が首相退陣を事実上要求し、知名度が高い石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相ら「ポスト岸田」候補らも動き始めた。総裁選に向けた党内の駆け引きは活発になりそうだ。
[時事通信社]
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