東芝未来科学館の一般公開終了=企業向けに事業転換受け―川崎
国産初の家電製品などが展示され、子どもから大人まで科学技術を学べる川崎市の「東芝未来科学館」が29日、一般公開を終了した。東芝の事業が消費者向けから企業向けに転換していることを受けて、同館の位置付けを見直したためという。
同館は1961年に「東芝科学館」として開設。2014年に現在の場所に移転し、名称も「東芝未来科学館」に変更された。累計来館者数は約1119万人に上る。
館内には、東芝の歴史として日本初の同社製電気洗濯機や冷蔵庫、カラーテレビなどを展示。静電気のたまった球体に触れると髪の毛が逆立つコーナーは子どもたちに大人気だったという。
小学6年生の長女と訪れた東京都大田区の会社員網野正道さん(48)は「娘が小さい頃から通っている。ここに来るようになって科学に興味を持つようになってくれた」と振り返る。「身近な科学を分かりやすく説明してくれて、大人も楽しめる場所だった」と惜しむような表情で語った。
同館の福家浩之館長は「一般公開終了を公表して以降、多くの人から惜しむ声をいただいた。63年間の重みを改めて感じている」と話した。
東芝によると、一般公開の終了で展示物は一部を除き撤去。先端技術の紹介は川崎市内の別の研究開発拠点で企業向けに公開するとしている。
[時事通信社]
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