元交際相手の男に懲役30年求刑=弁護側はストーカーを否定―博多女性刺殺・福岡地裁
福岡市博多区のJR博多駅近くの路上で昨年1月、会社員女性が刺殺された事件で、殺人などの罪に問われた元交際相手、寺内進被告(32)の裁判員裁判の公判が24日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であり、検察側は「残忍極まりない犯行」などと非難し、懲役30年を求刑した。この日で結審し、判決は28日。
公判では弁護側の最終弁論も行われ、ストーカー規制法違反罪について無罪を主張。「懲役17年が相当」と訴えた。
検察側は論告で「女性に落ち度はない。女性が寺内被告について警察に相談したことを逆恨みした」と主張。事件時、同被告が包丁で17回以上女性を突き刺し、傷の深さは20センチに達していたとし、「強固な殺意に基づく、残忍極まりない悪質性の高い犯行」と述べた。
弁護側はストーカー行為を否定し、「寺内被告は携帯料金支払いのために偶然、女性の職場付近にいた」などと反論。持っていた包丁は護身用で、「偶然が重なった。計画的ではない突発的な犯行だった」と訴えた。
法廷では、検察官が女性の母親の意見を代読。母親は「できるだけ長く刑務所にいてほしい」などと訴えた。最終意見陳述で寺内被告は「毎日後悔している。申し訳ございません」と謝罪しつつ、「待ち伏せなどはしていません」と語った。
起訴状によると、寺内被告は2023年1月16日夕、勤務先から帰宅する川野美樹さん=当時(38)=を待ち伏せして追い掛け、博多駅前の路上で、胸などを刃物で複数回刺して失血死させたとされる。
[時事通信社]
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