ハマス、最高指導者の死亡確認=「殉教で決意一層強く」―ネタニヤフ氏、人質解放まで戦闘継続
【カイロ時事】パレスチナのイスラム組織ハマスのハリル・ハイヤ副政治局長は18日、ビデオ演説で、最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏の死亡を認めた。イスラエルのネタニヤフ首相は17日、パレスチナ自治区ガザでシンワル氏を殺害したと発表していた。指導者や司令官を次々と失っているハマスにとっては大打撃だが、ハイヤ氏は「シンワル氏の殉教は、ハマスの決意を一層強くする」と強調し、徹底抗戦を表明した。
シンワル氏は、約1200人が死亡した昨年10月のハマスによるイスラエル奇襲の首謀者とされる。イスラエル軍によると、ガザ最南部ラファで16日、複数のハマス戦闘員が民家を転々としているのを捕捉して攻撃。うち一人がシンワル氏で、ビルに逃げ込んだが、砲撃の的となった。
ネタニヤフ氏は声明で「ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)以来、わが国史上最もおぞましい大量殺人を実行し、数千人の命を奪った人物が排除された」と戦果を誇示。その上で「任務はまだ終わらない」と述べ、ハマスがイスラエルから拉致した人質の解放まで戦闘を継続する考えを示した。
対イスラエル強硬派シンワル氏の死亡で、ハマスが拘束する約100人の人質解放と、停戦に向けた交渉が進展するとの見方もある。人質返還を求める支援団体は「イスラエル政府や世界の指導者らに対し、人質解放のための速やかな合意を求める」と表明。イスラエルのカッツ外相も「人質解放の一つのチャンスだ」と指摘した。
一方、ハイヤ氏は演説で、イスラエル軍が攻撃をやめてガザから撤退し、イスラエルに収監中のパレスチナ囚人が釈放されない限り、人質は「戻らない」と述べた。
バイデン米大統領は17日、訪問先のドイツで記者団に「戦争を終わらせ、人質を取り戻す時だ」と述べ、改めて停戦を呼び掛けた。イスラエル首相府によれば、両首脳は残る人質解放に向け協力を続けることで一致した。
[時事通信社]
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