鮮やか逆転劇でパリへ=堀米、土壇場で強さ―アーバンスポーツ五輪予選・スケートボード男子
強い日差しの下、堀米はミスの許されない重圧と戦っていた。日本勢で3枠の出場権を懸けた決勝。5番手からの大逆転劇を演じ、「自分でもびっくりしているし、本当にうれしい」。苦しみ続けた先の優勝。諦めかけた切符をつかんだ。
後がない状況で迎えた今大会。予選はランの1本目でミスする崖っぷちから2本目で大技を決め、準決勝は膝を痛めるアクシデントにも動じずに首位で通過。決勝はベストトリック3本目で驚異の97点台をマークするなど、土壇場で底知れぬ強さを見せつけた。
東京五輪で脚光を浴びてからの歩みは「地獄だった」。軽やかな身のこなしで魅せる堀米のスタイルは、高い競技性を求める傾向になった五輪予選で評価が分かれる時期が続いた。スケートボードはカルチャーか、スポーツか。自問自答する中でも、五輪を目指す以上は両方を追求し続けた。
この3年間は若い10代の選手の突き上げを肌で感じた。プロスケーターとしての本業でもある映像制作活動を一時休止してまでこだわった、五輪連覇という壮大な夢。「みんな自分を倒したいと思う。結果だけを求めたい」。2度目の大舞台では、さらに進化した姿を見せるつもりだ。(ブダペスト時事)
[時事通信社]
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