米株市場、IT偏重強める=景気減速背景、日本の資金も流入
【ニューヨーク時事】米株式市場が大型IT銘柄への偏重を強めている。景気減速を示す米経済指標が相次ぐ中、「守り」に入った投資家が、半導体大手エヌビディアなど今後も好業績が見込めるIT株を買い進めているためだ。日本からも少額投資非課税制度(NISA)などを通じて資金が流れ込んでいる。
エヌビディアは18日に時価総額で初めて世界首位に立った。株価は年初来で2.5倍以上に急伸。人工知能(AI)を支えるデータセンター向け半導体で圧倒的なシェアを握り、「大幅増収がしばらく続く」(日系証券)と期待を集めている。
直近ではアップルの上昇も目立つ。AI分野での出遅れ感からさえない値動きが続いていたが、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」などに生成AIを搭載する計画を10日に発表したのを受け、大量の買い戻しが入った。
AIへの期待を追い風に、ハイテク株を中心としたナスダック総合指数は10~18日にかけ、7営業日連続で終値の史上最高値を更新。投資家が重視するS&P500種株価指数も同期間に6日過去最高値で引け、記録的な上昇ぶりとなった。
IT業界に詳しい米アナリストはテレビ番組で、AIブームによる株価上昇をパーティーに例え、「まだ夜の9時だ」と始まったばかりと指摘。うたげは「午前4時まで続く」と強気の見方を披露した。
近年はS&P500の構成銘柄や全世界の株式に分散投資するファンドの人気が高く、NISAでもよく買われている。こうしたファンドは時価総額が大きいエヌビディアやアップル、マイクロソフトなどの投資配分が高く、大型IT株の一層の巨大化を招いている。
市場では2000年前後のITバブル崩壊の再来を懸念する声もある。ただ、別の日系証券関係者は「赤字企業だらけだった当時とは違い、今のIT大手は強い業績に裏打ちされている」と強調した。
[時事通信社]
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