強硬派主導も本命不在か=決選もつれ込む可能性―イラン大統領選
【イスタンブール時事】28日投開票のイラン大統領選まで1週間を切った。最高指導者ハメネイ師の影響力が強い「護憲評議会」の事前資格審査を通過した6人の候補者の争いだが、いずれも圧倒的な支持を固める決め手に欠け、本命不在の様相となっている。
当選には過半数の得票が必要。このまま混戦が続けば、決着は7月5日に実施される決選投票に持ち越される可能性もある。
立候補が認められたのは主に保守強硬派で、改革派からはペゼシュキアン元保健相(69)のみ。このため選挙戦は、保守強硬派重鎮のガリバフ国会議長(62)や核交渉の責任者を務めたジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)らを軸に進んでいる。
6人は17日から順次行われているテレビ討論などで持論を展開。ガリバフ氏は「大統領の重要責務は経済の転換だ。国民が変化を感じられるようにする」と主張した。各候補はインフレ対策や国内経済の強化、制裁解除の必要性などを訴えている。
ペゼシュキアン氏は「外交で国の発展と国民の尊厳ある生活を目指す」と国際協調を重視する意向を示した。同氏には改革派ハタミ元大統領や保守穏健派ロウハニ前政権で外相を務めたザリフ氏らが支持を表明した。穏健・改革派を結集し、投票率を底上げして勝機をうかがうものの、優位とされる保守強硬派を脅かせるかは不透明だ。
前回の大統領選では、投票日直前に候補者撤退が相次ぎ、結果的に保守強硬派ライシ師(今年5月に死亡)勝利の流れをつくった。今後、強硬派内で候補一本化の動きが出るかが焦点だ。
[時事通信社]
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