バイデン氏、公務よそに猛特訓=トランプ氏との初討論へ背水―米大統領選
【ワシントン時事】11月の米大統領選に向け、バイデン大統領(81)とトランプ前大統領(78)による第1回候補者テレビ討論会が27日に迫った。高齢不安がつきまとうバイデン氏にとっては、衰えを感じさせる言動一つが形勢を決めかねない背水の陣となり、公務をよそに猛特訓を重ねる。一方、有罪評決の影響が広がるトランプ氏は、イメージ改善の機会としたい考えだ。6月という異例の早期開催となった直接対決「第1弾」を前に、両者の準備に熱が入る。
バイデン氏は20日、最側近と共にワシントン近郊のキャンプデービッド山荘へ向かい、討論会に備えた「合宿」入り。当日はトランプ氏を「スキャンダルにまみれ国を混乱に陥れる犯罪者」、自身を「経験豊かで安定した指導者」と印象付ける狙いだ。
「史上最高齢対決」となる今回、政策論争以上に注目されるのが両氏のパフォーマンス。立ったまま90分続く討論会では、声の張りやスタミナが最後までもつかも試される。
バイデン氏は人名を思い出せなかったり、導線に迷って周囲に助けられたりと、心身の衰えを示す逸話に事欠かない。有権者の不安が強まる中、言い間違いや言葉に詰まる場面は命取りだ。決定的な失態を犯せば、民主党内でバイデン氏擁立への懐疑論すら生じかねない。
対するトランプ氏はこの1週間、中西部のミシガンやウィスコンシンなど激戦州を行脚。1時間超にわたる演説集会で「討論会は(着席でなく)立って行うよう申し入れた」と述べ、体力に自信を示した。
先週には準備の一環として、共和党議員らと協議。2020年大統領選の敗北を覆そうと支持者が連邦議会を襲撃した事件について攻められた場合に、どう切り返すかなどを話し合った。
トランプ氏の懸念は無党派層の支持離れだ。公共放送PBSが今月実施した調査では、バイデン氏とトランプ氏の支持率はいずれも49%。ただ、無党派層のトランプ氏支持は5月調査の54%から48%に減少した。5月末に不倫口止め料不正処理事件で有罪評決が出た影響とみられる。
今回の討論会は、バイデン氏がトランプ氏の挑戦を受け入れる形で実現。主催するCNNテレビによると、民主でも共和でもない「第3の候補」として一定の人気がある無所属ロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)は参加資格を満たせず、バイデン、トランプ両氏の一騎打ちとなることが確定した。
[時事通信社]
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