ロ朝格上げ、最悪のシナリオ=軍事協力強化を憂慮―韓国
【ソウル時事】ロシアと北朝鮮が侵略を受けた場合の相互支援を定め、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は関係の水準が「軍事同盟」に引き上げられたと強調した。北朝鮮と対峙(たいじ)する韓国にとってさらなる脅威となるだけに、最も避けたいシナリオだった。韓国政府は警戒心を強めつつ、対応を慎重に検討している。
「制裁決議をモニタリングする監視カメラを壊したロシアが、北朝鮮との軍事協力を強める可能性を憂慮する」。韓国の黄浚局国連大使は18日に開かれたウクライナ情勢に関する国連安保理会合で、こう述べた。
ロシアは今年、国連で制裁履行状況を調べる専門家パネルの任期延長に拒否権を行使し、パネルは廃止に追い込まれた。ロシアは安保理決議に基づく対北朝鮮制裁見直しに賛同すると述べており、これをけん制した形だ。
韓国メディアは、今回のロ朝首脳会談に先立ち、結ばれる新たな条約に、旧ソ連時代と同様、有事の際の自動参戦条項が盛り込まれる可能性があると報じていた。こうした懸念に関連し、張虎鎮国家安保室長は16日に出演したテレビ番組で、ロシア側に「一線を越えるな」と警告したと明かした。こうした警告も無視された格好だ。
北朝鮮が日米韓対中朝ロの「新冷戦」の構図を打ち出す中、韓国が役割を期待するのが中国だ。中国としては、ロ朝と陣営を形成する構図とは距離を置きたいのが本音。18日にソウルで開かれた中韓外務、国防両省の幹部による「外交安保対話」で、韓国側は朝鮮半島情勢での「建設的役割」を求め、中国も役割を果たすと応じた。
[時事通信社]
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