NATO次期トップ人事大詰め=ハンガリーもオランダ首相支持
【ブリュッセル時事】10月に任期満了を迎える北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長の後任人事が、大詰めを迎えている。最有力候補と目されるオランダのルッテ首相の就任に反対していたハンガリーが18日、一転して支持する考えを表明。これにより、7月に米ワシントンで開催されるNATO首脳会議までの決着に大きく近づいた。
ハンガリーに加えスロバキアも18日、賛成の立場を明らかにした。米英独など主要加盟国は既にルッテ氏支持に回っており、今後は同じく立候補しているルーマニアのヨハニス大統領の動向が焦点となりそうだ。
ハンガリーのオルバン首相は18日、ルッテ氏を「支持する用意がある」とX(旧ツイッター)で宣言した。オルバン氏はウクライナ侵攻を続けるロシアに融和的な姿勢で知られ、投稿には資金や人材の面でハンガリーがウクライナ支援に協力しないことをルッテ氏が容認する、署名入りの文書が添えられた。両氏は17日、ブリュッセルで会談している。
オルバン氏は先週、ストルテンベルグ氏からもウクライナ支援で「NATOの取り組みに参加しない(ハンガリーの)立場を受け入れる」との言質を取った。トップが交代してもNATOの方針は変わらないという「確約」を得たことが、今回の支持表明の決め手になったとみられる。
ルッテ氏は2010年からオランダ首相を務め、ウクライナ支援では戦闘機調達を主導した。昨年7月にオランダ政界からの引退を表明後、事務総長ポストに関心を示していた。
ハンガリーで21年、LGBTなど性的少数者に関する規制が導入された際、ルッテ氏は激しく批判。これに反発し、ハンガリーのシーヤールトー外相が今年3月、「ハンガリーに圧力をかけようとした候補者を支持することはできない」と主張していた。
[時事通信社]
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