2024-06-17 18:53

ストーカー行為は無罪主張=元交際相手の男初公判―博多女性刺殺・福岡地裁

 福岡市博多区のJR博多駅近くの路上で昨年1月、会社員女性が刺殺された事件で、殺人やストーカー規制法違反などの罪に問われた元交際相手の寺内進被告(32)の裁判員裁判の初公判が17日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であった。罪状認否で同被告は殺人罪を認めた上で、「待ち伏せは違います」と述べ、ストーカー規制法違反罪について無罪を主張した。
 検察側は冒頭陳述で、寺内被告は女性から別れを告げられた後、何度も女性に電話するなどしたため、福岡県警からストーカー規制法に基づく禁止命令を出されていたと指摘。事件直前、女性の勤務先近くで待ち伏せし、出てきた女性を170メートル以上追跡した上で、包丁で少なくとも17回突き刺したとした。
 弁護側は冒頭陳述で、寺内被告は携帯電話料金支払いのため、偶然女性の勤務先付近を歩いていたと主張。ストーカー行為はなかったとした。
 被告人質問も行われ、女性と交際していた頃の2人の関係性などを弁護側が質問した。同被告は禁止命令を受けた後、「近寄ろうと思わなかった」と述べた。被告人質問は次回公判以降も実施される。
 起訴状によると、同被告は昨年1月、勤務先から帰宅途中の川野美樹さん=当時(38)=を待ち伏せし、ストーカー行為をしたほか、同16日夕には博多駅前の路上で、川野さんの胸などを刃物で複数回刺して失血死させたとされる。 
 寺内被告は、2022年8月に福岡市博多区の路上で男性を殴って重傷を負わせたとする傷害罪にも問われており、裁判員裁判に先立つ区分審理で、福岡地裁は今年3月、有罪の部分判決を言い渡した。裁判ではこの傷害事件も含めて量刑が判断される。
[時事通信社]

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