復興へ民間投資促進=ウクライナ支援会議―独
【ベルリン時事】ベルリンで開かれたウクライナの復興策を議論する国際会議は12日、2日間の日程を終え閉幕した。先進7カ国(G7)と有志国は、民間投資の促進や、ロシア軍による攻撃が集中している電力などインフラの復旧支援を急ぐと約束した。ただ終戦が見通せない中、本格的な復興に着手できるめどは立っていない。
主催したドイツ、ウクライナ両政府は共同議長声明を発表し、ウクライナと支援国・企業との間で、復興人材の育成や中小企業支援など新たに110件以上の協力案件が取り交わされたと説明。「ウクライナへの支援を継続し、ロシアによる侵略の壊滅的な影響に対抗する」と強調した。
復興には約5000億ドル(78兆円超)が必要と見込まれ、民間資金の活用が課題となっている。ウクライナ政府は会議に合わせて復興事業を概説した「投資ガイド」を公表。エネルギーや交通、農業、医療など多岐にわたる事業が含まれる。ゼレンスキー大統領は演説で「ウクライナは商機となる大きな市場だ」と呼び掛けた。
G7と有志国は共同声明で、復興事業の透明性確保や、優先度に応じた支援の調整を担う新たな枠組みを設けると表明。さらに、日米欧の約20社で構成する「ビジネス諮問委員会」も創設された。ウクライナ政府に対して助言を行い、民間投資を後押しする狙いで、日本からは川崎重工業が参画した。
[時事通信社]
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