「ハマス排除」訴え=ガザ戦後統治でイスラエル国防相
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスと交戦するイスラエルのガラント国防相は2日、ガザの戦後統治について「ハマスとは異なる政府を目指す。ハマスを排除し別の勢力を迎え入れる」と強調した。イスラエルのメディアが報じた。
ガラント氏は「戦争終結へのいかなる過程でも、ハマスによる支配は受け入れない」と強調。軍事・政治的にハマスが力を失うまで、戦闘を継続すると改めて語った。ガラント氏は3日未明にかけてブリンケン米国務長官と電話会談し、同様の考えを伝えた。
ガラント氏は戦後処理への自国の関与には否定的な立場で、5月にはイスラエルの統治が続くことは「戦略的、軍事的に危険な選択肢だ」と発言。イスラエルの関与にこだわるネタニヤフ首相との溝が浮き彫りになっていた。
バイデン米大統領は5月31日、ガザでの人質解放と戦闘終結に向け、イスラエルが新提案を示したと発表。だが、ネタニヤフ政権の一角を占める極右政党は、ハマスと妥結するなら連立を離脱すると警告した。戦時内閣は2日、新提案履行の可否について協議を行った。
一方、戦時内閣メンバーのガンツ前国防相は新提案発表前、戦後統治を含む行動計画を6月8日までに策定しなければ、戦時内閣のポストを辞任し政権から離脱すると通告していた。イスラエル国内では人質解放を要求するデモが続き、ネタニヤフ氏は難しい選択を迫られている。
そうした中、イスラエル軍は3日、地上作戦を続けるガザ最南部ラファでハマスが使用する大量の武器が見つかったと発表。ガザの標的50カ所以上に空爆を加えたと説明した。
[時事通信社]
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